令和4年の新設住宅着工戸数ー持ち家の減少ー

本日、令和5年1月31日に「令和4年 建築着工統計調査報告」が国土交通省総合政策局の建設経済統計調査室より発表されました。
 
令和4年の新設住宅の着工戸数やそれぞれの増減をみていきましょう。
 
 

建築着工統計調査報告とは

建築着工統計調査報告は、全国の建築物の着工状況(建築物の数、床面積合計、 工事費予定額等)を建築主、構造、用途等に分類して把握することを目的とした調査です。
毎月行われ、調査毎に翌月末に内容が公表されるものと、年ごと、年度末ごとに出されるものがあります。(延べ床面積10㎡超の建築物に義務づけ られている「建築工事届」から集計。悉皆調査)
 
今回発表されたのは令和4年末までの統計調査の結果です。

統計の結果

令和4年の新設住宅着工戸数は859,529戸と、前年の着工戸数856,484戸と比べると0.4%増でした。
これで2年連続の増加になります。
利用関係別の戸数をみると、貸家は 345,080戸(前年比 7.4%増)、分譲住宅は 255,487戸(前年比 4.7%増)と好成績を残しています。
一方で、持家は 253,287戸で前年比 11.3%減という結果になりました。
 

持ち家減少の理由

令和4年に持ち家が減少した理由としては、深刻化するウクライナ情勢で資材価格の高騰や物価高のあおりを受けたことが考えられます。
住宅価格の平均価格は、2020年後半は約3500万円でしたが、2022年には約4200万円と20%近く上昇しています。
住宅価格の上昇理由としては、木材は輸入木材が手に入りにくい『ウッドショック』、鉄鋼は鉄鉱石などの原材料価格の高騰、プラスチックを用いた建材や住宅設備は原油価格の上昇による値上がりだと考えられます。
 
このまま円安が続けば、住宅価格は高騰する一方でしょう。
2023年の新築の持ち家施工戸数は減少すると考えられます。
 
参考:
国土交通省,総合政策局,建設経済統計調査室「令和2年計 建築着工統計調査報告」
国土交通省,総合政策局,建設経済統計調査室「令和3年計 建築着工統計調査報告」
国土交通省,総合政策局,建設経済統計調査室「令和4年計 建築着工統計調査報告」
新建ハウジング,2023年1月31日「2022年住宅着工85.9万戸 持家は10年間で最低水準」https://www.s-housing.jp/archives/298562
Suumo, 2022年9月9日「住宅価格の高騰はいつまで続く?SUUMO編集長に聞く今後の見通しや2022年に購入する際の注意点やポイント」https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/money/jutakukounyu2022/