ウッドショックと法律知識

みなさんこんにちは!
ウッドショックをご存知でしょうか?材料価格の高騰により住宅価格の上昇のことを指します。
 
 
昨今のウクライナ情勢もあり、以下リンクの記事によると、
 
「PEFCやFSCという国際的森林認証機関が、ロシア産とベラルーシ産の木材に対しての認証を停止しました。これ以降、両国の木材は「紛争木材」という扱いになり、それを原料としていた木材製品の製造・加工・流通が止まっているのです。」
 
つまり第二次のウッドショックが問題視されつつあり、木材の価格は非常に不安定となっています。よって工務店や住宅会社は住宅の販売価格の決定が難しいのです。
そこで、今回はウッドショックを考慮した住宅価格の上昇を踏まえた、工務店における合意書について法律の観点から解説します。
 

目次

ウッドショックの合意書作成の目的
合意書作成のポイント
まとめ
 

ウッドショックの合意書作成の目的

契約時に合意した材料価格が着工した後でウッドショックにより食い違いが発生することがあります。よって、ウッドショックに備えた合意書作成の目的は、この価格の食い違いに備えた対策であり、住宅会社や工務店の齟齬を防ぐためでもあります。
 
ちなみに日本は国土の7割が森林にもかかわらず、木材自給率は3割ほど。つまり7割が外国からの輸入に頼っているのです。かつて戦後では自給率が9割だったにもかかわらず、木材輸入の自由化により安く手に入る外木材が急激に増加。その結果、自国の木材価格が高騰し林業自体が衰退してしまったのです。近年微小に増加傾向にありますが、昔ほどではありません。
 
 
 
価格変動は、ウクライナ情勢や新型コロナウイルスなど予期せぬ事態の影響もあります。よって、価格の齟齬に備えた合意書形成が注目されているのです。
 

合意書作成のポイント

原価高騰が激しい今、重要なポイントは双方が納得した価格かつ条件で合意してもらうことです。
 
ポイント①
ウッドショックの原価変動に応じて請負代金の変更を請求できること
⇒言わずもがな、原価変動に応じた請負代金の変更への合意です
 
ポイント②
発注者は受注者が代理受領した補助金の限度額を請負代金変更の上限とし、補助金から請負代金増額を相殺したものを返金することで精算する
⇒住宅建設にはさまざまな補助金制度があります。これをうまく活用して、請負金額の増額の双方の負担をなるべく減らすような合意形成にします
 
まとめると双方が価格変動に対して柔軟に対応できるように、あらかじめ合意形成をしておくことで契約と着工時の金額についての食い違いが防げますね。
 
参照までに、補助金制度については以下が参考になります。
 

まとめ

国土の森林割合がフィンランドに次いで多いにもかかわらず、輸入自由化や林業の衰退により国内木材ではなくまだまだ輸入に頼らざるを得ない日本。
近年の情勢が複雑であるため、木材だけでなく輸入品の価格変動を予測するのは困難と言えそうです。
よって、書面により受注者と発注者があらかじめ合意、理解した上で進めることが重要ですね。
国内の木材を使用して住宅建設することで得られる補助金もあります。こういった制度で積極的に国内木材利用を増加させることで自給率を上げるのが狙いのようです。参考にしてみてください。
 
愛知県岡崎市
埼玉県