環境に優しい循環型住宅の紹介

皆さんこんにちは!
世界中で脱炭素の必要性が謳われるなど、二酸化炭素排出量の削減が求められていますね。特に欧州では法規制がされるなど日本以上に厳しい環境規制があります。
そんな中、今英国で注目されている最新の建築技術を使用した完全循環型デザイン住宅についてご紹介したいと思います。
 
 

目次

完全循環型デザイン住宅とは?
どんな技術が使われているの?
環境への影響は?
今後の期待
 

完全循環型デザイン住宅とは?

皆さん、Cradle to cradle という言葉をご存知ですか?
この言葉は欧州から生まれた、消費が済んだらゴミとして廃棄するのではなく、次の新たなものづくりに生かすという考えです。
この考えのもと2019年に生まれたのが、廃棄されるコルクを建築材料として使用した完全循環型デザイン住宅です。
外壁にコルク材を使用するまたは柔らかい性質を持つので床のクッション材としての使用はたびたび見られますが、この住宅は壁も屋根もコルクでできており、床や杭の基礎部分を除いた大部分がコルクを使用しています。ただコルクを材料として使用しても問題があります。
火災への耐性や耐震など建築材料として有効な材料設計プロセスが必要だからです。設計者である、Matthew Barnett Holand氏とDido Milne氏自らによって設計され建設されました。
 

どんな技術が使われているの?

コルクというのは実は、樹木ではなく樹皮からできています。なので伐採する必要がないためそもそも環境負荷が低い木材として知られています。
そのコルクの中でも、コルク栓を作成する過程で出た副産物や廃棄物を使用して、加熱し圧延(ロールで押しつぶして伸ばす「塑性加工」)することで材料が出来上がります。
コルクは密度を高くすると剛性は上がりますが、耐熱性は下がってしまします。ですので、シミュレーションと実験を繰り返すことで最適なコルク密度で材料を作成したのです。これからコルクブロックを作成することで建築材料として住宅建設の際に組み立てます。
 

環境への影響は?

コルクは木が成長する育成期に二酸化炭素を吸収します。さらに樹木の樹皮を採取するため専門技術を持った職人であれば樹木を傷つけることはありません。
さらに住宅の建設段階における二酸化炭素排出量を抑えることで、二酸化炭素排出量よりも吸収量が多いカーボンネガティブな状態を実現することができています。
イギリスの住宅は煉瓦造りでコンクリート住宅が多いですが、このように環境意識が高い国で循環型の住宅があるのは素晴らしいですね。
コルクの特徴として再生利用可能という特徴があるので、この住宅も解体時には次の住宅の材料として使用が期待されます。
 

今後の期待

コルクの特徴として、吸音効果と防湿効果があるので住宅材料としても優れています。よって将来的にメジャーな建築材料となれば環境負荷を考慮したより良い建築材料となるでしょう。
予算とサステイナビリティを考慮した新しい建築材料となることを期待しています。次回もお楽しみに!!