SDGs対応を求められる建設業
作成日時
2022/8/23
カテゴリ
業界知識
街中でもメディアでもよく見るSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)。
内容が豊富ですべてを取り入れるまでに時間がかかりそう、導入にコストがかかりそう、という理由で取り組みに消極的な企業の方々も少なからずいると思います。
SDGsとは何なのか、現在の取り組みや建設業で行うメリットについて少し覗いてみませんか?
目次
SDGsとは、「地球上の平等・平和・豊かさをめざす」もの
多く取り組まれている建設業におけるSDGsの例
SDGs活動のメリット
さいごに
SDGsとは、「地球上の平等・平和・豊かさをめざす」もの
SDGsは国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
この目標では、17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています(外務省)。
SDGsはよく「環境問題解決と途上国開発のための目標だ」と誤解されることもあるのですが、ゴールやターゲットを見ていくと、先進国も含めた地球上のすべての平等・平和・豊かさを目指すことであると分かると思います。
[ 国際連合広報センターより https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/)](
しかし、実際にどのような活動ができればSDGsのための取り組みができている、と言えるのでしょうか。
多く取り組まれている建設業におけるSDGsの例
SDGsのための取り組み、というと何か大規模なことを達成しなければならないように思えますが、そんなことはありません。
「地球上の平等・平和・豊かさを目指すことである」と考えたとき、他者への配慮や格差是正、作業効率化などを推進することはすべてSDGsへの取り組みと言えるでしょう。
具体的には以下のようなものが考えられます。
参考にできそうなものを添付しているので、ご活用ください。
ゴール1 貧困を失くそう
活動 適正な人事儀評価と適正な賃金の支払い
(例:建設キャリアアップシステムの導入)
ゴール3 すべての人に健康と福祉を
活動 日雇い労働者を含めてすべての労働者に健康診断を受診させる
ゴール5 ジェンダー平等を実現しよう
活動 女性が働きやすい職場の実現
(例:現場に女性用お手洗いを設置)
ゴール9 産業と技術革新の基盤をつくろう
活動 耐震技術の向上、事業効率化
(例:、新耐震技術の活用、新サービスの活用)
ゴール12 つくる責任 使う責任
活動 長く住み続けられる住宅をつくる
(例:空き家問題の解決)
ゴール14,15 海の豊かさを守ろう(14) 陸の豊かさを守ろう(15)
活動 環境に優しい建材の利用
(例:環境に優しい新技術の活用)
今回はすべての目標の紹介ではなく、一部抜粋になりますが、気になる方はぜひ国連のサイトを見ながら、自社の活動に思いをはせてみてください。
SDGs活動のメリット
SDGs活動は企業の義務ではありません。
また、これらの活動は人/時間/金銭的なコストがかかります。
それでもSDGs達成に向けて動く企業が多いのは、コストを上回るメリットがあるからです。
メリット① 業界のイメージ向上
建設業は3K業種と言われてきました。SDGsの健康やジェンダー平等への取り組みによって、そのイメージを覆すことが可能です。
メリット② 人手不足の解消
イメージが上がれば新しい人材が舞い込んでくるでしょう。慢性的な高齢化と人手不足に対応することができるはずです。
メリット③ 事業の効率化
デジタル化がまだ遅れている建設業。業務効率化のための新しい技術やサービスを活用することによって、労働時間が減ったり紙の使用率が減ったりします。
メリット④ 長期的なコストカット
SDGsの取り組みは、最初はコストが掛かるかもしれません。しかし、長期的に見れば、人件費や材料の廃棄コストの削減になります。