改正空き家対策特措法ー空き家のこれからー

空き家問題は年々深刻さを増しています。
政府はその対応に追われていますが、いまだ解決には至っていません。
 
そこで、国土交通省は、第211回通常国会において法案を提出する予定です。
主に住宅関連では3月上旬に空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(改正空き家対策特措法)を提出します。
 
 

もくじ

改正案の内容 空き家対策特措法とは 施策の概要 これまでの取り組み 空き家対策の今後

 

改正案の内容

改正空き家対策特措法は、空き家の適切な管理や活用を促進するための「空家等活用促進区域(仮称)」に関する制度の創設や、適切な管理が行われていない空家に対する措置の拡充を図るほか、「空家等管理活用支援法人(仮称)」の指定制度の創設を実施する模様です。
 

空き家対策特措法とは

今回改正案が提出される「空き家対策特措法」は、平成27年2月に施行された法律です。
適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空家等の活用のため対応が必要であるということから制定されました。
 

施策の概要

空き家対策特措法にはおおまかに5つの施策があります。
①基本方針・計画の策定等
・国は、空家等に関する施策の基本指針を策定(5条)
・国が策定した基本指針に即して、市町村は空家等対策計画を策定(6条)、協議会を設置(7条)
②空き家等についての情報収集
・市町村長は、法律で規定する限度において、空家等への立入調査が可能になる(9条)。また、空家等の所有者等を把握するために固定資産税情報の内部利用が可能(10条)
③空き家およびその跡地の活用
・市町村による空家等及びその跡地に関する情報の提供その他これらの活用のための対策の実施(13条)
 
④財政上の措置及び税制上の措置等
・市町村が行う空家等対策の円滑な実施のために、国及び地方公共団体による空家等に関する施策の実施に要する費用に対する補助、地方交付税制度の拡充を行う(15条1項)
・このほか、今後必要な税制上の措置等を行う(15条2項)
⑤特定空き家に対する措置
・特定空家等に対しては、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置 の助言又は指導、勧告、命令が可能。
・さらに要件が明確化された行政代執行の方法により強制執行 が可能(14条)
 

これまでの取り組み

空き家対策特措法が施行されてから2021年度末時点でちょうど6年になりますが、施行状況はかなり進んだと言えるでしょう。
空き家等対策計画の策定(5条)に関しては、「策定済み」の自治体は全国の80%にも上ります。
また、空家法に基づく措置や市町村による空き家対策による管理不全の空き家の除却や修繕等の推進も全国で14万件を超えるなど、着実に成果が出ています。
空き家バンクは2017年10月から試運転開始、2018年4月より本格開始されています。利用者も増加傾向です。
同時に所有者が分からない空き家をなくす目的で、「相続土地国庫帰属制度」が作られました。
 

空き家対策の今後

これらの対策が行われていても、まだまだ空き家・空地は減りません。
むしろ増加傾向にあります。
今回の改正空き家対策特措法の効果に期待です。
【参考サイト】