【 地震に備える 】土木学会のプロジェクト「土木を軸に国難災害に立ち向かう-複合・巨大災害の全体像の解明と横断的対応体制の提案-」とは?
1~2週間に1回くらいは震度4以上の地震が起こる国、日本。
今後起こるといわれる南海トラフ地震。その被害は、東日本大震災をはるかにしのぐ大きさになるといわれています。


危惧される国難レベルの自然災害に対して、建設業ではどのような活動ができるのでしょうか?
本記事では、土木学会が遂行している「JSCE2020-2024~地域・世代・価値をつなぎ、未来社会を創造する~」の4つのプロジェクトのうちの一つ、「プロジェクト1:土木を軸に国難災害に立ち向かう-複合・巨大災害の全体像の解明と横断的対応体制の提案-」をご紹介します。
目次
プロジェクトについて
プロジェクトの概要
実際の活動
今後の情報
プロジェクトについて
このプロジェクトは様々な分野で連鎖・拡大する大規模災害の全体像の解明と課題の整理、対応策を、あらゆる分野を横断して確立することを目的としています。東日本大震災が発生した際、これまで研究されてきた災害への対応策では対応できなかった部分を埋める形で、より良い災害対策の構築を目指しているようです。
本プロジェクトのリーダーの目黒氏は都市震災軽減工学、都市防災戦略、都市防災マネジメントを研究主体とする東京大学の特任教授で、これまでも防災に関する様々な提言をしてきた先生です。
プロジェクトの概要
研究概要は、①過去の国難災害の全体像整理、②今後起こりうる国難災害の全体像整理、③システム化、④実証と検証、となっています。

実際の活動
これまでどのような活動が実施されてきたのでしょうか。
一つ目の活動としては、過去の国難災害(関東大震災、阪神淡路大震災、東日本大震災等)に関する新聞記事・学術論文などの災害情報をデータベース化し、「災害関連情報検索・分析プラットフォーム(仮)」を開発し、過去の災害の全体像を整理するシステムを形成しています(研究概要①過去の国難災害の全体像整理にあたる)。
これが公開されれば、過去に発生した災害の事例から、建設業界で対応できる点が比較的容易に発見できるようになるかもしれません。
2021年には、委員会や討論会を行うのはもちろん、2021年8月11日には地震工学委員会で「首都直下地震の国難的災害化の回避 に向けたワークショップ」をオンラインで開催し、シナリオ作成や課題整理を行っています。また、同年9月7日 土木学会全国大会研究討論会「複合・巨大災害の全体像の解明と効率的対応体制の提案に向けて」を実施し、災害医療・災害看護・通信分野の専門家を招き、土木分野以外の視点から見て対策が不十分な課題の抽出と分野間に存在するギャップや盲点の炙り出しを行ったようです(研究概要②今後起こりうる国難災害の全体像整理にあたる)。
2022度は「国難災害情報分析システム(仮)」の活用や更新を行うことで「研究概要②今後起こりうる国難災害の全体像整理」を進め、来年度以降のシステム化に向けて組織立ち上げも行うようです!
今後の情報
本記事では災害に対する土木学会の動向をご紹介しました。
今、まさに今後の対応を決めるための情報収集/情報整理が行われているようです。学協会を横断した組織作りを目指すプロジェクト、「土木を軸に国難災害に立ち向かう-複合・巨大災害の全体像の解明と横断的対応体制の提案-」を追っていくことで、今後土木業界が防災や復興へのアプローチ方法が明らかになるかもしれません。
最新の動向は2022年9月13日(火)15:30〜17:30に実施される『JSCE2020プロジェクトの展開とその後に向けて』にて追えるようです!
詳細はこちらのリンクからご確認いただけます(https://zenkokutaikai.jsce.or.jp/2022/?page_id=2235)。
(参考)