愛知県の建設業:労働災害発生状況

 
建設業の労災発生率は他業種と比較して高く、危険が伴う現場であると言わざるをえません。
特に、愛知県は全国でもトップレベルに建設関連の事業者数が多い自治体です。
全国に比べて県内の建設業における労災発生率は低めの水準ではあるものの、墜落・転落事故は多く、現場の安全性を確保することは急務です。

愛知県における建設業の労災発生 事故の型別発生状況 過去の関連記事

 

愛知県における建設業の労災発生

愛知県は日本で4番目に建設業の事業所数が多い自治体です。
 
愛知県内における過去5年間の建設業の死傷者を伴う事故発生率は全産業の8.6%~10.0%です。労災の発生数としても、事業所数トップ5の自治体である福岡県・大阪府とほとんど同じ数です。
また、5年前と比べると少々数が増えているようにも見えますが、10年前から比較すると水準はほとんど変わっていません。
(「https://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/pdf/03_setsumeishiryo/roudoukyokusaigaijyoukyou.pdfより筆者作成)
(「https://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/pdf/03_setsumeishiryo/roudoukyokusaigaijyoukyou.pdfより筆者作成)
 
一方で、全国では建設業が全業種の死傷者数に占める割合は30.3%(2021年度)であることを考えると、全国の水準に比べると割合は低いようです。
割合が低い原因としては、愛知県は製造業が盛んであり、製造業での労災がおおよそ20%~25%と大きな割合を占めていることが考えられます。
 
全国に比べて水準が低いとはいえ、毎年600人以上の死傷者を出しています。
死者だけに注目すれば、2017年から2021年の5年間は平均して12人の死者を出しており、これは全産業の30%弱を占めています。
 

事故の型別発生状況

 
愛知県内の建設業の労災で最も多いのが、全体の31.0%を占める「墜落・転落」です。
次点では「さまれ・巻き込まれ」、そして「切れ・こすれ」、「飛来・落下」と続きます。
 
墜落・転落を防ぐための方策は国土交通省・厚生労働省主催の令和4年度「建設工事おける労働災害防止に関する説明会[原文ママ]」(https://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/pdf/03_setsumeishiryo/akusesusiryou.pdf)で示されています。
少し中身を見てみましょう。
 
たとえば、わく組み足場の妻側の墜落防止措置に置ける義務については以下のように紹介されています。わく組み足場を使用した現場は「墜落・転落」が発生する可能性が高い現場です。
(https://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/pdf/03_setsumeishiryo/akusesusiryou.pdfより引用)
(https://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/pdf/03_setsumeishiryo/akusesusiryou.pdfより引用)
 
このほかにも、足場の組み立てや墜落生死器具取り付け設備(いわゆる安全帯)の性能及び使用方法など、詳しい説明が載っていますので、まずは「建設工事おける労働災害防止に関する説明会[原文ママ]」を参考に、現場の安全状態の見直しをしてみませんか?
 

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