現場での廃棄物処理への新技術とサービス

建設現場では廃棄物が生まれ、それを適切に処理するのも仕事の一つであります。
しかしながら廃棄物の回収であったり、適切な処理の仕方、処理の実行と何かと煩わしいことが多いものです。
今回はテックの力、新しいサービスで現場の廃棄物処理をよりしやすくするようなものをご紹介します。
 
 
 

目次

現場で出る廃棄物には何があるの?
回収のためのスマートロボット
キノコの力で廃棄物の有害物質を処理する?!
最後に
 
現場で出る廃棄物には何があるのか?
建設現場で出る廃棄物と言ってもみなさん何が思いつくでしょうか?
環境省が掲示している廃棄物種別一覧によると以下のようなものがあります。
 
大きく三つに分かれていますが、これらの現場での廃棄物の処理責任は元請業者にあり、自身で処理することも可能ですがその場合は収集運搬業の許可が必要です。できない場合は、処理の下請け業者と契約を結ぶことになり自治体の定める方法に従って廃棄することが法律で義務付けられています。
ここで課題となっているのは、
 
・いまだに不法投棄が多いこと
環境省によると「無許可業者による投棄量が全体の約56%を占め、排出事業者(自ら処理)と併せ全体の約70%を占めている。投棄件数では、排出事業者(自ら処理)が全体の約41%を占め、無許可業者と併せ全体の約57%を占めている。」
 
・リサイクル推進に関する廃棄物処理の法律が制定されたにも関わらず石膏ボードなどの一部の資材で再資源化が難しいこと
 
これらがあげられます。廃棄物に対する課題解決として幾つかのサービスを紹介します。
 
現場での廃棄物をスマートロボットが簡単に回収?!
現場での廃棄物回収は未だに人の力で行われており、大きな労力がかかります。
これを解決できると期待されているのが超音波センサーを導入したスマートロボットです。
超音波センサーとは、ロボットから発信される音波を受信機が受信して対象物の有無や距離を測定するのに使用されます。高速で振動し伝播するため、超音波洗浄器などがありますね。
車の駐車の際のサポートや、工場での物品有無のチェックに使われています。
これを生かして、コンクリート片やくぎ、粉じん、木片などの廃棄物を検知し自動で回収するのがこのスマートロボットです。
従来人の力を要していたものが効率化されることで生産性が上がり、さらに廃棄物の自動仕分けまで行えることも期待できますね。
 
Mycocycle:キノコの力で廃棄物の毒素を取り除く??
こちらは海外のスタートアップの例です。
アスファルトや化学メーカーなどが提供する建材や資材から出る廃棄物には有害物質が含まれることが多く、有害物質の除去が難しいことから全てを再資源化するのは非常に難しいとされています。
そこでキノコ類(真菌)が持つ毒素を排出する力を借りて有害物質を取り除くといった技術です。
真菌というと、カビのイメージがありますが、その酵素には化学物質を分解する力があり、建設業界だけでなく幅広い業界での分解処理役として期待されています。
 
最後に
廃棄物処理業界は、元請業者と下請け業者との委託で行われることも多く、廃棄物処理業者のための配送最適化サービスなどもあります。
そもそもの資材や建材を再資源化するものにする、困難なものでも技術の力で分解する、効率化するなどの解決方法が期待されますね。