次世代への技術継承
今日の日本を支える昔から培ってきた建設・建築という一つの産業に大きな危機が迫っています。
極めて目立つ人手不足や森林資源の枯渇など様々な要因がありますが、今回は職人の技術をいかにして後世に受け継ぐか、そこに着目します。

次世代継承への課題
代々受け継がれる匠の技であったり、加工工程などその道の職人でないとわからないものが、この建築業界には数えきれないほど存在しています。また、過去には継手の不足などによりそういった技術が後世に伝わらなかったものもあったでしょう。

国土交通省 建設産業の現状と課題 より引用
このグラフからも見てとれる通り、多くの建設業者で後継者問題が年を増すごとに急増しています。そこでグローバル化が進む中で、次世代の日本人へ失われた技術を作らないようにと様々な画期的なものが開発されました。
- 言語だけでなく視覚で伝えたい
- 多言語で伝えたい
- 伝えたい技術はあるのに人がいない
など
このような問題を解決してくれる、素晴らしい開発を本日は3つ厳選してご紹介したいと思います。
技術継承に革命3選
(1)建設現場の撮影に欠かせないカメラ
カメラの懸念事項として
- 写真の管理が大変
- 撮影漏れが起こる
- 現場のイメージが伝わらない
これらを一気に解決することができるのが360°カメラです

建築家が語る、仕事道具としての360度カメラ活用術|RICOH THETAより引用
写真を撮ることが苦手な方でも、ワンショットで建設現場をかんたんに撮影することができ、360度カメラは隅々まで見返せるので、撮影漏れが無くなります。
また、建築業における、現場調査、進捗管理、報告業務などもこなせる優れものです。また、建設現場での安全状況を監視することができます。作業員の行動や作業環境を広範囲に記録し、安全上の問題や事故の原因を特定することができます。また、次世代への安全教育のための訓練ビデオやマニュアルの作成にも活用されます。文章だけでなく画像として残るため、技術継承へのハードルが下がることが期待されます。
(2)AIによる進捗管理
設計から引き渡しまですべてのプロジェクト チームが 1 つの建設ソフトウェア ソリューションで連携することができ、管理もAIが仕分けをしてくれるのでまとまっていて非常に見やすいです!紙で設計を書いて枚数が多くなり、どこにあるかわからない。そのような事態は未然に防ぎましょう。
AIが進捗状況を認識
図面上に色分け表示したり、施工済みの数量を計算したりしてくれます。
施工の統合により、ワークフローを自動化し、データのサイロ化を解消します。
過去のプロジェクトも簡単に見返せるので次世代への記録の引き継ぎにも手間取りません。
Autodesk Construction Cloud より引用
最後にご紹介するのが
(3)AI翻訳機能付き動画マニュアル作成サービス
外国人労働者に後を継いでもらいたい、他国に日本の由緒ある文化を伝えたいそんな要望に応えて開発されたのが、このアプリです。
その翻訳数の多さはなんと100言語にもなります。
肝心の編集作業や撮影機材は一切不要の優れもので、スマホ一台あれば全て完結します。
また、近年外国人労働者数が増加しており、人材不足の建設業界ではその人材活用が必要とされています。しかし、コミュニケーションの観点や技術や作業方法が口頭で継承することが難しいことからこのようなサービスの活用が期待されますね。
外国人労働者の現状については下記の記事も参考にご覧ください。
次世代の建築・建設
今回は技術継承をデジタル化について具体的なアプローチを三選ご紹介しました。
日本古来の建築・建設という一つの産業に新たな風が吹こうとしている今、人から人への建築は場所や国境をも超え、今次世代に引き継がれようとしています。
人事不足にただ人を送るのではなく違った視点からアプローチできるのが、DX化が進んでいる現代の日本です。
みなさんが受け継がれてきた先代の匠の技術を余すことなく未来の日本へつなげていきましょう!