建設におけるリサイクルとスタートアップの事例紹介
みなさんこんにちは!
建設リサイクル法をご存知ですか?建設というとものを作り上げるといった印象が強いですが、実は建設廃棄物(建設工事で発生する廃棄物)は、産業廃棄物全体の約2割、最終処分量の24パーセントを占めています。
そこで環境負荷の低減を進めるために施行されているのが建設リサイクル法で、2002年に完全施行されました。主に解体工事や建設現場で出た廃棄物に関して事前に届出をするものです。
このことから、産業廃棄物処理にかかる環境負荷や資源の有効活用が期待されています。
今回は建設現場または一般の廃棄物から革新的な技術によりリサイクルし、新たな資源として有効活用する技術及び企業を紹介します。

一般廃棄物から建設資材を作るスタートアップ例
Byfusion
アメリカでは年間約4200万トンのプラごみが排出されています。そこでこのプラスチックゴミからBYBLOCKという建設ブロック資材を作り出すのが米国スタートアップのByfusionです。

特許取得ずみの圧縮とスチーム技術を使って前処理なしにプラスチックごみを建設ブロック資材へと変えてしまうのです。
どんなに叩いたり上から落としても壊れない強靭さも持ち合わせています!
さらに製造過程でも二酸化炭素の排出量が従来のコンクリートブロック製造よりも41%削減と環境負荷が少ない製造設計となっています。
使用用途としては防音壁や壁などの建設資材として使われています。
続いて紹介するのはフランス発スタートアップのFabBRICK です。
大量消費、大量生産に伴って毎年世界で生産された衣服の64%が廃棄されているのが現状です。そこで、本来廃棄されるはずだった服からレンガを作り出すスタートアップがFabBRICKです。
衣料品が建築資材になりうることからフランスの建築学生が立ち上げたスタートアップになります。

レンガだけでなく、タイルにもなりうることから家具や家の水回りタイルとして使用されています。製造過程としては廃棄される服を細かくクラッシュして繊維レベルまで落とし込み、型にはめていくというものです。服の鮮やかさと交わって非常におしゃれなレンガですよね。
廃棄予定の資材の有効活用や分類例
一般に建設系廃棄物は品目が多いのが特徴です。例えば断熱材・梱包材のように軽量なものから、外壁・土砂ごみ・瓦等の重量があるものまで多岐に渡ります。そしてこれらを分別することは義務付けられており、処理するにも代金を支払う必要があります。
建設廃棄物の回収から分類そしてリサイクルまでを一手に引き受けてくれるスタートアップがフランスの Les Ripeursです。
建設現場の廃棄物を収集して分類します。建設現場の管理者が依頼してから3日以内に現場から直接瓦礫の袋を回収します。次に、廃棄物を専門の廃棄物受け入れセンターに預け、廃棄物を他の建設現場向けの商品や他の産業向けの資源、さらにはエネルギーに変換することが可能です。
このように回収から分類という建設廃棄物処理で煩わしい作業をスピーディに行ってくれるのです。
最後に紹介するのは、日本のスタートアップHUB&STOCK(ハブアンドストック)です。
こちらでは、まだ使えるのに未使用となっている余剰の建設資材を買い取り、アウトレット価格で販売するサービスを運営しています。余剰資材を買い取り、新しく使いたい人へ繋げるのがこのサービスです。余剰資材となっていては廃棄されるのを待つだけでさらに廃棄するにもコストがかかるため売り手側にもメリットがあります。
価格としてはメーカー小売希望価格の7から8割引だそうで、主に不動産会社やDIYをしたい人が気軽にLINEアカウントで購入できる仕組みになっています。
提携先の建設会社に定期的に訪れ、御社が保有する倉庫で保管します。その種類は壁紙や床材、タイル、ドア、金物など多岐にわたります。