海外における建設テック事情

みなさんこんにちは!
海外の建設テックは2010年前後から設立が増加し、米国ではその投資額は2019年時点で18億となっています。日本では、建設テックが注目され設立が増加したのが2015年前後、さらに2022年の市場規模は22兆円 ( 建設経済研究所より )と非常に大きなマーケットです。
今回は施工管理や測量などメジャーなものではなく、少し珍しい海外の建設テックをいくつかご紹介したいと思います。
 
 

目次

建設3Dプリンター
重機の自動化とロボット
モジュール建築
 

建設3Dプリンター

みなさん、3Dプリンターをご覧になったことがあるでしょうか?簡単なものだと、スマホケースや自分でデザインしたフィギアの作成など家庭で手軽に樹脂を使ってプリントすることで3Dの立体物が作成できます。そんな3Dプリンターが建設の現場でも今活用されているのです。
 
例えば、米国に本社を構えるAI SpaceFactory社
 
AI SpaceFactory社はNASA が行った 3D プリントによる火星用住宅の建設コンテストで優勝を飾った住居用3Dプリンティングを専門とする会社です。
 
驚くべきなのはその住居の建設の自動化と、使用されている素材です。
住居の建設に関してはロボットと専属のソフトウエアによって自動で制御されており、大規模な印刷を実行し、組み立てがl可能。次世代の自律型の建設手法が使用されています。
さらに建設する素材は金属やコンクリート樹脂ではなく、なんと建設現場地域で調達されるトウモロコシやサトウキビ、ビートに含まれる糖質を発酵することで構成されるバイオポリマーを用いて住居が建設されています。
脱炭素化が世界で話題となっている中、建設業界が排出する二酸化炭素量は多くの割合を占めているため、非常にサステイナブルかつ効率的な建設と言えます。
 
地球だけでなく火星での住居建設もNASAと協力して行っており、非常にユニークな会社です。
 

重機の自動化とロボット

 
次にご紹介するのは重機の自動化とロボットによる建設を可能にするBuilt Robotics社です。
 
この会社では既存の重機や機械に後付けすることで異常検知や物体回避などの自動化が行える装置の開発を行なっています。これにより、作業者は遠隔で操作またはモニタリングすることができ、人手不足が叫ばれる建設業界にとって大きなソリューションとなるでしょう。
 
 
このように日本のKOMATSU重機にBuilt robotics社の自動化装置が後付けされています。これだと既存で重機を保有している会社でも導入コストや学習コストが少ないことが期待できますね。
またこれまで累計で50億円資金調達していることから非常にパワーがあります。
 

モジュール建築

最後にモジュール建築についてです。モジュール建築という言葉をご存じでしょうか?
モジュール建築とは、簡単にいうならばレゴブロックのようにパーツ単位で製造し、工場内でレゴのように積み上げ、建築していく手法で時間節約が望める方法です。
 
米国では Factory OS社があります。
 
Factory OS社で建築される住居の建築コストは、従来比で20-40%ほど削減しさらに建築時間も35〜40%短縮可能とあります。
米国のサンフランシスコやベイエリアでは住宅価格の高騰が問題となっているため、このようにコストを削減することで中所得層でも比較的手に届きやすい価格で購入が可能になるのです。
徹底的に効率化されたモジュール方式によって技術者でなくても組み立てや、パーツ製造が可能なため雇用創出の機会としても期待されています。
すでに累計2020年時点で82億の資金調達を行っており、Meta社やGoogleも投資しています。
 
 

まとめ

いかがだったでしょうか?施工管理や紙媒体から電子化への移行ツールなどは多くありますが、今回は少しユニークな海外建設テックをご紹介しました。
次回もお楽しみに!
 
 
参考: