【建設3Dプリンター】2022年が元年と呼ばれる理由

2022年は建設3Dプリンター元年と言われていることはご存知でしょうか?
建設業界では少子高齢化・人材不足が大きな課題です。工数を減らし、工期を大幅に短縮できる建設用3Dプリンターは、この問題を解決する大きな足がかりになると考えられています。
そんな3Dプリンターですが、この技術を使用した施工が2022年、初めて建築確認申請を取得しました!そのために2022年は「元年」なのです。
今後は公共事業においても積極的に使用される可能性が高いと予想されます。本記事でも今注目すべき建設用3Dプリンターについて、ご紹介します。
 

日本初の3Dプリンターを使用した公共工事

2022年1月、建設用3Dプリンターを開発する株式会社Polyuse(本社 : 東京都港区、以下 Polyuse )によって、建設用3Dプリンターによる排水土木構造物製造(集水升)を、中国地方で初めて実証されました。建築基準法に準拠する形で、MAT一級建築士事務所による設計を元に、実施された案件で、日本国内における「初の建築確認申請取得」であり、「公共工事初」ということで、関心が集まりました。

3Dプリンターと「i-Construction」

本件は広島県の建設会社、加藤組とPolyuseが協力し、国土交通省主導の「PRISM」というプロジェクトで実施されています。
「PRISM」とは、「i-Construction」の一環で、建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクトの名称です。「i-Construction」は国土交通省を中心として、全ての建設生産プロセスでICTやAIなどの活用を推進し、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させることを目指した取り組みです。
「i-Construction」のなかでも現在3Dプリンターが注目されている理由はそのスピード感にあります。
セメントを流し込む型枠を作り、型枠内部にコンクリートを流し込み、硬化させるという従来の建築方法に比べ、3Dプリンターによる住宅建設は、工数が大変少ないため早く完成します。
本記事で紹介している事例では、型枠の組み立てから据え付けまでが通常6~8日かかる所を、3日に短縮し、施行人数もこれまでは9人必要だったところから4人で十分になったといいます。
また、3Dプリンターはその環境負荷の低さも注目される一つの理由です。
はじめから求める形で作ることができるため、余計な資源を消費することなく、地球環境負荷を減らすことも可能です。将来的には、住宅コストを大きく引き下げる可能性もあることから、欧州や中国では3Dプリンターを活用した住宅建設が次々と進められています。
海外における3Dプリンター事業については「海外における建設テック事情」にて紹介しておりますので、ぜひこちらもご一読ください!

今後に向けて

2022年6月22日から24日にかけて、次世代3Dプリンタ展が実施されます。建設業界における3Dプリンターの利用にはまだ十分可能性があります。
展示会では新しい技術や知見など、多くのことを学ぶことができますので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
【参考】