国土交通省のProject PLATEAU、2023年度の動きは?

Project PLATEAUは2020年から始まった。3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化のエコシステムを構築することで、まちづくりのデジタル・トランスフォーメーションを推進する、国土交通省のプロジェクトです。
2023年3月、国土交通省はProject PLATEAU令和5年度の取り組み方針を公開しました。
本記事ではこれまでの動きと合わせて、令和5年度の計画をご紹介します。
 
もくじ
Project PLATEAUとは
2020年から2022年の取組
2023年の指針
 

Project PLATEAUとは

3D都市モデルの全国整備・社会実装の実現に向けて、自律的に創造されていくエコシステムの構築を目指すプロジェクトです。
 
 
Project PLATEAUには下記の3つのエコシステム構築の目標があります。
①「国によるデータ整備高度化・効率化、ユースケースのベスト・プラクティスの開発」
地方自治体等がオープンデータとして提供する3D都市モデルのデータや、国が公開するユースケース開発のナレッジが活用され、新たなイノベーションが創出されるための環境を整備。
また、開発者がデータを利用しやすい環境を作るため、技術資料の整備、開発者向けツールの開発、コミュニティ構築等を実施。
 
②「地方自治体による社会実装」
国が開発したナレッジを利用して地方自治体が3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を実施し、データ・カバレッジの拡大やユースケースの社会実装を推進。
 
③「地域のオープン・イノベーションの創出」
国の取組みにより、民間利用の動向を踏まえたPLATEAU標準仕様の拡張・改良や、自治体による整備を促進するためのデータ整備手法効率化のための技術開発を進める。
また、民間領域の先進技術や新たなアイディアを取り込んだ3D都市モデルのユースケース開発を実施。フィージビリティスタディや有用性検証を行い、社会実装のためのベストプラクティスを創出。
そして、2027年度までに3D都市モデルの整備都市数を500都市とすることを目指しています。
 

2020年から2022年の取組

2020年-2021年
プロジェクトの初年度は目標①「国によるデータ整備高度化・効率化、ユースケースのベスト・プラクティスの開発」の達成に向けた動きが活発だったようです。
  1. 標準データモデルの開発/オープンデータ化
国際標準に基づくオープンフォーマットを日 本データモデルとして採用し、オープンな活用を可能にしました。
また、プロトタイプとして約60都市のデータ を整備し、オープンデータ化に成功しています。
  1. プロトタイプとなるユースケース開発
郡山市における三次元リスク分析を踏まえた防災計画への立案に活用したり、石川県では太陽光発電ポテンシャルのシミュレーションに活用し、脱炭素政策を作成しています。
 
2021年-2022年
2年目は②「地方自治体による社会実装」が始まりました。
  1. 国による技術開発/リーディングケース創出
標準データモデルの拡張、先進的なユースケースの技術検証等を、地域レベルを超え、国のプロ ジェクトとして実施しています。
  1. 地方公共団体による3D都市モデルの社会実装
地域公共団体においても、社会実装は進み、全国36団体60都市程度でデータ整備、ユースケース開発等を実施しています。
 
2023年の指針
来年度は2022年度の活動を踏襲し、Project PLATEAUの目標②「地方自治体による社会実装」の実現に向けて進むとともに、③「地域のオープン・イノベーションの創出」が始まります!
具体的な指針としては下記の3つです。
  1. データ整備の効率化・高度化OGC CityGML2.0に基づく日本ローカライズ版標準仕様 (PLATEAU標準)を拡張し、対象オブジェクトを拡大することで、より精緻なデジタルツイン構築の実現及び、
3D都市モデルLOD2の整備を効率的‧低価格化するための技術を確立することで、地方公共団体のデータ整備拡大の後押し
  1. ユースケース開発
先進技術を活用した3D都市モデルのユースケース開発を実証し、ベストプラクティスの創出と横展開を図ることで、官⺠の多様な分野におけるユースケースの社会実装の推進
  1. 地域における社会実装
2022年度から始まった地方公共団体による3D都市モデルの整備‧活用‧オープンデータ化の補助制度の活用などにより、データ・カバレッジの拡大を進行。
PLATEAU VIEWの改修、オープンAPIやSDK開発、ハッカソンの開催等、データ利用環境の改善に取組む。
 
2023年度は3D都市モデルの本格的な運用が始まりそうです。
まちづくりのデジタル・トランスフォーメーションでより住みやすく安全な都市開発が加速する予感がします。