世界と比べた資材価格

資材価格の高騰が叫ばれている今、国土交通省は「政府が2022年10月28日に閣議決定した総合経済対策の一環として、公共工事を元請けとして受注した中小建設会社などに対する金融支援を強化する
と発表しました。
資材価格高騰で打撃を受けている建設業界、回復を予測するのは難しいものです。
では、世界と比べて日本の建設資材の価格はどのようなものなのでしょうか?
日本同様に資材価格の高騰影響を受けている諸外国ではどのような対策がなされているのか?
世界と比較した資材価格について調べました。
 

目次

昨今の資材価格高騰のわけ
世界と比べた資材価格高騰とその対応
最後に
 

昨今の資材価格高騰のわけ

昨今の資材価格高騰は、「新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻による原料や燃料の価格上昇もの」
が原因と言われています。実際に2022年3月の建築資材物価指数は、前年同月に比べ19%以上増加しました。さらに新型コロナウイルスにより低金利の金融政策により米国では住宅建設ラッシュが続きました。
よって木材や素材の需要が高まったが供給が追いついていないというのが現状です。
中国でも木材の需要が拡大し、同様の動きがあります。
建設業では、素材メーカーが価格の値上がりが揃ってから価格改定を行うため、価格決定にタイムラグがあり、なかなか決まりにくいのです。
また最近では日本は資材のほとんどを輸入しているため、止まらない円安も大きく影響しています。

世界と比べた資材価格高騰とその対応

諸外国ではどのようになっているのでしょうか?
アメリカでは、新型コロナウイルスの影響から自宅で過ごす時間が増えたことからか昨夏より、材木の需給過多による材木価格の急騰によるウッドショックが懸念され続けています。
それに伴い建設コストが上昇により住宅価格が上昇しました。
最近では住宅建設の需要が下落したことから、材木価格は落ち着いています。しかし、それ以外の資材の価格が高騰しており、2021年から鉄鋼製品、防水紙・建築板、アスファルトなどの資材価格が例年比で30%越えで高騰しています。
 
欧州では資材はウッドショックが長く続いていますがそれ以上に深刻なのが電気代の高騰です。
エネルギー輸出大国であるロシアに依存していた欧州では、ウクライナ侵攻により安定的にエネルギー源を補給することが難しくなってしまったのです。イギリスにおける電力卸売り価格は2021年から1メガワット時あたり、約4万円以上に急騰し、ガス価格も同様に1年前に比べて5倍以上の値上がりとなっています。
よってイギリス政府は、天然ガスや化石燃料に頼ることなく再生可能エネルギーやより効率良く発電するため、新規に原子力発電所の建設計画を打ち出しました。イギリス政府はこれにより炎帝的な電力確保と新規の雇用創出を行うと発表しています。
イギリスではガスの貯蓄が少なくほとんどを輸入に頼っているため、急務といえそうです。
 

最後に

世界的な資材価格の高騰が続き、また人材不足もそれに拍車をかけています。日本では円安の影響により物価やエネルギー価格の高騰が止まりません。政府は今後どのような対応をしていくのでしょうか?