建設業界の倒産数の増加

みなさんこんにちは、先日話題となったこのニュース
「2022年度(22年4月-23年3月)の建設業における倒産は1291件だった。歴史的低水準が続いた20-21年度に比べて大幅に増加したほか、単月でも23年3月(155件)は、16年8月(154件)以来約6年半ぶりに150件を超え、急増傾向が鮮明となった。」
3年ぶりに倒産件数が増加し、ここ最近で急増しているとのことです。
今回は、日本における倒産件数増加の推移から、その原因、国の措置などを見ていきます。
 

目次

日本における倒産件数増加の推移
考えられる原因
国の措置や制度
 
 

日本における倒産件数増加の推移

まずは、日本における建設業の倒産件数の推移を見ていきましょう。
国土交通省出典
国土交通省によると、平成27年度までは全国的に一貫して倒産数は減少していたとのことです。
しかしながら、帝国データバンクの調査によって明らかになったここ最近の倒産件数の推移を見てみると、
 
帝国データバンク出典
2022年度は3年ぶりに倒産件数が増加したとのことです。
 

考えられる原因

この原因として考えられるのが、
まず一つ目は、人口減少による建設需要の減少です。日本は高齢化社会を迎えており、若年層の人口が減少し続けています。これにより、新たな住宅や商業施設の建設需要が減少し、建設業の収益に影響を与えています。
二つ目は、労働力不足です。若者の間で建設業への就職志向が低下し、さらに高齢化により現場で活躍していた経験豊富な労働者が退職していくことで、人手不足が深刻化しています。これにより、プロジェクトの遅延やコスト増大が起こり、企業の経営に悪影響を及ぼしています。
最後に、建設資材の価格高騰も影響しています。世界的な需要増加や供給不足により、鉄鋼や木材などの建設資材の価格が上昇しており、これが建設業のコスト負担を増大させています。
 

国の措置や制度

一つ目に、労働力不足の問題に対しては、技能実習制度の拡大や外国人労働者の受け入れを推進しています。これにより、建設業の人手不足を補う一方で、技術伝承も期待されています。
二つ目に、建設資材の価格高騰に対する支援として、公共工事の価格見直し制度を活用し、工事費の上昇を吸収するようにしています。また、建設業者が融資を受けやすいよう、政府系金融機関を通じた融資制度も利用できます。
最後に、中小企業の経営支援として、低利の融資や保証制度、税制優遇などの措置が存在します。これにより、建設業における財政的な負担を軽減し、倒産を防ぐための支援を行っています。
それぞれの措置は、建設業の現状に対する直接的な対策であり、倒産防止に資するとともに、業界全体の健全な成長を促進することを目指しています。