測量作業のドローン活用

みなさんこんにちは、今回は土木建築では欠かせない測量作業のDX事例について解説します!
 

目次

測量作業と課題
ドローンを利用した測量DX集
簡単な技術解説
最後に
 

測量作業と課題

通常地形測量は主に、土木建築の現場において測量し建設・建築予定地の図面を起こすために行われます。専門の測量士という専門家も存在し、建造物の建設条件や性能設計は測量の結果によって決まるため重要なプロセスとなります。
 
主に測るのは建設予定地などの標高及び座標になります。
この情報が得られることでようやく図面が起こせるのです。
 
しかし、建物建設数の増加に伴って測量という分野において課題も多く存在しています。
 
課題①:森林や山中など人が立ち入るのが難しい場所においては測量自体が困難
⇒通常、測量士が測量のための機械や機器を持ち歩きながら目的地を訪れ測量するのがよくあるパターンです。しかし、冬の寒い山中や生い茂った山々の中に立ち入っての測量は危険と共に困難を極めます。
 
課題②:計測ミスは許されない、ハードなお仕事
⇒測量の仕事は厳しい条件下(例えば炎天下38度の真夏日のアスファルト道路など)でもミスは許されません。計測結果がそのまま建物の寸法や図面に反映されるからです。
数人のグループで測量を行うことが多く、注意力や忍耐力さらにはチームワークなども必要とされます。よってミスは許されないながらかなり体力と根性が必要なお仕事です。
 
 

ドローンを利用した測量DX集

そこで活躍するのがドローン技術を活かした新たな測量技術です。
AIやデータを活用することからスタートアップ企業の活躍が目立っています。
 
中でもテラドローン社が提供するドローンによる測量サービスは高い精度(誤差は±5cm)と低コスト(従来のコストの5分の1程度)を保有しています。
日本国内におけるドローンを利用した土木測量で売上No1に位置付けています。
 
ドローンを活用することから、山中や鉱山などの危険な場所での測量への活用が期待されています。ドローンを使用した3次元レーザー測量は、従来では伐採せざるを得なかった地形でも伐採することなく測量が可能で災害現場や河川地形の調査への活用も期待されています。
中でも注目すべきは、ドローン自体の技術もさることながら、画像処理や解析ソフト開発の技術力も保有しているためドローンで測量したデータを3D表示することも可能です。
 

簡単な技術解説

では、どのようにしてドローンを活用して空から測量しているのでしょうか?
主に方法は2つあります。
 
方法①:レーザー反射を利用する測量
最近主流となりつつあるのが、ドローンからレーザー光を発射して計測する方法です。
通常光は何か物体に当たると反射(はね返ってくる)します。レーザーを発射してから反射して戻ってくるまでの時間を計測することで、レーザー光の速度(波長x周波数)からドローンから物体までの距離を計算できます。
しかし、1回レーザーを発射しただけでは正確な測量はできません。
そのため通常1秒間に何十万回というレーザーを同時に発射し、その発射して当たった点と点をつなぎ合わせることで立体的な計測データを得ることができるのです!
より精度の高いレーザーと発射回数を組み合わせることで誤差の小さい計測データ取得が可能になります。
ただ、精度の良いレーザーやドローン本体への組み立てや測量計算のためのハードウエア部分が技術を要するのでコストがかかるといった面もあります。
 
 
方法②:空から撮影した写真をつなぎ合わせて測量
ドローンというと空中撮影ができるイメージがありますよね。
測量でもこの方法は使用されています。
ステレオ写真の原理をご存知でしょうか?
例えば、人間が静止した物体を右目、左目それぞれで見た時に少し物体がずれて見えませんか?
人間はこのズレの情報から物体を3次元情報(奥行き、高さ、横幅)に変換して統合しているのです。
これが空中撮影でも使えます。ドローンの位置情報を取得しながら、この原理をもとにした技術を使用して3次元情報の取得を行い、そこから3Dマップなどの作成が可能です。
ただ、どこからどこまで測るというようにあらかじめ決められている(要はカメラの撮影範囲)場合には有効ですが、不明な場合には難しいといったデメリットもあります。
 
 
 

最後に

いかがだったでしょうか?
今回はドローンによる測量とその技術の中身を簡単に紹介しました。
今度々メディアでも取り上げられるドローンですが、写真や動画撮影だけでなくレーザー光を組み合わせることで測量に活かせるような時代になってきました。
次回もお楽しみに!
 
参考文献及び記事